俺に東条を追いかける資格なんてねぇよな…



きっと東条は折り畳み傘を取りに戻ってきたんだろう


そして教室に入ろうとしたら俺の声が聞こえた、のかな……



ほんっと俺ってバカ。


素直じゃない。



俺は何も言わず教室を出た


残った3人は何も言わず見守ってくれていた



『大好き、だったよ…』



東条の最後の言葉を思い出す



もう、俺のこと好きじゃなくなるのか?



俺は嫌われたのか?


ごめん、東条。



俺は東条のこと、ほんとは…


「好き…だっ」



その言葉は虚しく玄関にこだました