「っ!?」


そこにはずぶ濡れで立つ、東条の姿があった


目にはたくさんの涙を溜めている



もしかしてさっきの聞かれた……?


「と、東条…」


「た、かのくんっ。
ご、ごめんっね、今まで付きまとって。
きら、われてるの、わかってったのに。

でも…うざがられて、るのは…わ、かんなかった、なぁ…」



泣きながら言う東条


肩はフルフルと震えている


「っだからっ…つきまとうの、もうっ、や、めるっね?
もう、たかの、くんのこと、諦める。
そんなすぐにあ、きらめられないっけど、もう、つきまとわないっから」



…何言ってんの?


俺を…諦める?



「お互い、嫌いってことで、いい、よね。
ごめんね、いままでつきまとって。
じゃ、ばいばいっ高野くん。
大好き、だったよ…」



東条はその言葉を残し、走り去っていった



「愛花ちゃん!」



将也が東条の折り畳み傘を持って東条の後を追って教室を飛び出していった


本当は俺がそうしたかった。


そうしたかったのに……



何やってんだよ……俺