「…ただいま」

「…おかえり」


やっぱり気まずいな…


「…待っててくれたの? 」

「あぁ」

「…ありがとう」


会話が続かない。

どうしよう…


「帰ってくんの遅くねーか?」

「え? 」


時間を確認するともう23時を過ぎている


「ごめんね…遅くなっちゃった」

「ずっと待ってたんだぞ」

「うん…」

「酒まで飲んでフラフラじゃねーか。いろんな人に迷惑かけてるんだぞ」

「…」


何よ…そんなのわかってるよ

…そこまで言わなくたっていいじゃない


「それが家庭と子供を持ってるお前のやることか?」

「…なによ」

「あ?」

「…少しくらい大目に見てよ…母親だから,妻だからお酒飲んじゃいけないの? 酔っちゃいけないの? …そんなの酷すぎるよ! 」


ダメ…これ以上は言ってはいけない。

そうわかってるのに自分を止めることができなかった。


「結婚してからも子供が生まれてからもこんな遅くまで外にいたことなかった! 家でずっと…蒼の事待ってた。
どんなに寂しくてもずっと…家のことだってしっかりやってた‼︎ それなのにどこにも行くなって言うの? 」

「違う。俺はお前のことを想って…」

「私のことを想うなら! もう少し私に自由をちょうだい…」