湯船の大きさからして向き合って入れる形なのに蒼は私のすぐ後ろにいる。

慣れってものは怖いもので私もすっかり自分の体重を蒼に預けてしまっている。


「…まぁ大胆な未來もいいけど」

「前の私の方が好き? 今の私じゃ嫌? 」

「未來を嫌いになる事はねーけど。」


蒼の口調からしてウブな私の方が好きみたい。

顔を見なくても蒼は今,複雑な表情をしてると思う。

でも今日は気分的に大胆になりたい…

女の子なのにっ! って自分でも思うけどちょっとくらいいいよね?


「私もどんな蒼でも嫌いになれる自信ないよ」

「…お前今日おかしい」

「それも今だけ。キスして? 」


変な目を向けながらも私からキスをせがむ事なんてなかったから喜んでキスしてくれた。