「………ん…?」


わたしが目を覚ますと、
目の前には父の死体が、
周りには焼け野原が広がっていた。


ー…あれ?みんな…どこ……?


どこを見渡しても人影はなかった。


《ズキッ》


「いてっ…」


叔父さんに殴られたところに
痛みが走った。


ーそうだ、叔父さんが…。


叔父さんが父を殺した。
そしてパラマを滅ぼした…?


「なんのために…こんなこと…」


うまく頭が回らなかった。
混乱していた。


わたしはヨロヨロと立ち上がり、
家に向かった。
でも、家はなかった。
焼き払われていた。


ーどうして?どうして?


《ひらっ》


ー?


足に引っかかった紙っぺらは、
毎日のように眺めていた、
あの海図だった。


わたしはそれを手に取り、眺めた。


「……あ…!」


ーあれは、サハールのマーク!?


海図には、サハールとパナマの
マークが示されていた。
サハールのマークは、
あの飛行艇の翼にあったものと
まったく同じだった。


「サハールが…みんなを殺した…」


わたしにふつふつと
殺意がこみ上げた。


ー両親の仇、みんなの仇は……


「わたしがとる。」


父の最後の言葉は忘れていた。