「じゃあ明日の朝早くに出発しよう。」
「わかったわ。おやすみ……。」


2人は眠りについた。
俺はなんだか眠れなかった。


サハールのでっかい船の後ろに、
一隻の小さな船を見つけた俺は、
その船に乗った女に声をかけた。


美人だなと思った。
構えたロケット弾は
かなり物騒だったが。


だが名前を聞いたら、
ベルナとか名乗りやがる。


嫌いな名前……いや、
聞き飽きた名前だった。


ベルナってやつのせいで、
俺の未来は決められていた。
そんな風に感じていた。


でも、俺が出会ったベルナは
根性も勇気もあるし、
守る必要はないようなやつ。
でも守りたくなるような……?


こんな気持ちは初めてだ。
処理のしかたがわかんねえ。


でもこれは、
たぶん、思ってたベルナと
ちがうベルナと出会ったから
芽生えた感情だと思う。


預言のベルナとは違うベルナ。
わかってる。わかってるが……。


ベルナとの出会いは
なんだか運命みたいなのを感じる。


「……はあ。」


考えるのは疲れた。


ー預言のベルナはどうやって探そう?


なんて考えながら、
いつの間にか眠りについていた。