情報屋の住処は、案外港と近かった。
そこはなかなか年季の入った建物で、
歩くたびにギシギシと
床が音を立てた。
情報屋はランプに火を灯し、
わたしたちに座るよう促した。
「いまココア入れるね。」
「ありがとう。」
「サンキュー。」
情報屋がいれたココアは温かくて、
なんだか安心した。
「よし。じゃあ君たちに情報を売ろう。何について聞きたい?」
ー……ん?売る?
「まって、有料なの?」
「当たり前だろ?情報屋は情報を売るんだ。買っといて損はないよ?」
「お金ないの。宝石ならあるけど。」
「あらら。じゃあそれでもいいよ。」
わたしはリュックの中身を見せた。
「へえ。かなり持ってるね。これならいっぱい話せそうだ。」
「ありがとう。じゃあ、クリスタルについて教えてくれない?」
情報屋はこくりと頷いた。