「…なんであなたは…」


ーわたしを連れていこうとするの?


「ん?ああ。そうか、まだ説明してなかったな。」
「説明?」


オーロは自分のかばんの中から、
丸められた一枚の紙を取り出した。


「これは、20年前に俺の母ちゃんが書いた『預言』だ。」
「よげん…?」


オーロからその紙を受け取り、
開いて読んでみた。


「預言…20年後、7つ目のクリスタルを持つ『ベルナ』という娘が…サハールに現れるだろう……?!」


ーえっ、ベルナって、わたし!?


「なんかおまえがサハールに行くと、悪いことが起こるみたいだぜ?だから…」


わたしはオーロの話を遮った。


「人違いよ。だってわたし、クリスタルなんて持ってないもの。」
「………へ?」


オーロがとぼけた声を出した。
「え、でもおまえ、ベルナだろ?」
「ベルナよ?でもクリスタルなんて持ってない。お母さんの集めてた宝石ならあるけど。」
「宝石?見せてみろ。」


オーロはごそごそと
わたしのリュックを漁ったが、


「…うん、クリスタルはねえな。」
「でしょ?」


オーロは腕組みをして、
考え事をしているかのような
ポーズをとった。


「まずわたし、クリスタルなんて聞いたことないし!」
「人違い…かあ。」
「きっとそうよ。でも、ここで会ったのは何かの縁!一緒にサハールに行きましょ?」
「…ああ。そうだな!俺もサハールに行って、ベルナってやつ探すよ!」
「よし!決まりね!」


《パシッ》


わたしたちは固く握手した。


ついにサハールに出発した。