でも声聞きたくて電話した。
ほんとに弱いね。
出てくれると思わなかったから少しびっくりした。
「もしもし…」
「はい」
優しい声だった。
「寝てた?」
「いや」
「ごめん…声聞きたくて…」
「あ?」
「いや、なんでもないよ」
「…」
「…」
「あのさ、ご飯に誘ったら来てくれる?」
「え、わかんない」
「日曜日は?バイトとか入ってる?」
「いや、入ってないけど…わかんない」
「じゃあいつならいいの?」
「わかんない…てかさ本返してや」
だんだんまさが不機嫌になっていくのがわかった。
こんなにすぐ不機嫌になる人じゃないのに…よっぽど迷惑なんだな…
「あのさ、迷惑ならちゃんと言って…」
「迷惑ではない」
「じゃあいつご飯行けるの?」
「………俺が行きたいと思った日。」
「まさがわたしとご飯行きたいと思う日なんてあるの?」
「…わかんない」
もうめんどくさそうだった。
「何回も同じこと言ってごめん。ほんとに迷惑ならちゃんと言ってほしいな」
「迷惑ではないけど、めんどくさい」
同じことじゃない。ばか。でもやっとまさの「迷惑ではない」から離れられた。
「そっか、ごめんね。わたしまだまさのこと好きなんだ…」
「うん」

