分裂世界の緋色姫


「何ー?鈴木、珍しいな。次は持ってこいよ!じゃあプリント後ろから回収」

先生はタケルを軽く注意するとプリンとを回収し始めた。

「ちょっ…タケル!!」

アスカはタケルの腕を掴んだ。


その瞬間、タケルの顔は一気に赤くなった。

「なっ、なな、何だよっ?」

「こんなこと…いいの?…てか顔赤いよ?熱あるんじゃない?」


「い、ぃや、気にすんな!」

タケルはそう言うと顔をそっぽに向けた。

その顔はゆで上がったタコのように真っ赤だった。

「?もう、ワケわかんない…」

アスカはおもむろに席を立ってプリントを回収した。

そのアスカの頬もチークを塗ったような赤だった。


放課後。


アスカは少し離れの寮に向かっていた。


アスカが通う中学校は疎開してる者しかいない。