分裂世界の緋色姫


「ぶっ!何だ、そのこと!?」

ナツキが腹を抱えて笑い出した。

「えっ、だ、だって〜」

「あーぁ、今日も忘れたんだぁ。今日は立たされちゃうんじゃない?」

「えー、うっそ!やだぁ!」

アスカは頭を抱えた。

「おらー、授業はじめるぞ」

そこに大きな腹を揺らしながら英語の先生が入って来た。


「げ、もう来た」


アスカは顔を歪めた。

「くくっ、アスカがんば」

ナツキは笑いながら席に戻っていった。


「あぁ、どうしよ〜」

アスカは机に突っ伏した。

どうする?タケルの隣なのに立つなんて…

「何、お前また宿題忘れたの?」

タケルがニヤニヤしながら話しかけてくる。