「ちょっ、ちょっと!ナツキッ!」
アスカはナツキに手を引かれるまま走った。
ナツキはどんどんスピードを上げる。
「ねえ!ナツキ!どこ行くの!?」
アスカの問いかけにナツキは顔をこちらに向けた。
「隣のクラスの子が、上から落ちてきた看板の下敷きになったって…やばいことになってる!」
―え?隣のクラス?
「と、隣のクラス?うそ…」
アスカはひどく混乱した。
あのとき看板の下敷きになったのはナツキだったはずだ。
自分の記憶が間違っているのだろうか?
しかし、その右手の血が間違いでないことを示している。
鑑定をすれば、ナツキの血だと証明されるだろう。
いったい何が起きてるのか――
「ん?どーしたのアスカ?」
走りながらナツキは心配そうな顔を向けた。
アスカはちらりとナツキの顔を見ると、すぐに顔を伏せた。
―今、ここにいるナツキは何者なのか?


