分裂世界の緋色姫


アスカはドアノブに手をかけた。

「アスカ!」

「…え…?」


その場から動けない。

目を見開いたまま、立ち尽くす。


「……ナツキ」

アスカの目の前に立っているのは、正真正銘のナツキだった

「…え、え?なんで…」

うろたえるアスカの前で、ナツキは首を傾げた。

「どーしたのアスカ?な、何…じろじろ見て…」


ナツキが怪訝な顔で見つめてくる。

状況が理解できないアスカは右手を見つめた。

血はやはりべっとりついている。

「どーしたの、さっきから…っと、そんなことよりも…」

ナツキはアスカの腕を掴むと、部屋から飛び出した。


ドアの鍵がオートロックで締まる。