分裂世界の緋色姫


アスカの真後ろには落ちてきた看板の残骸が散乱している。

そこまではアスカも予想していた。

しかし、想定外だったのはその下―――残骸の下の、白い手。


「―っ、ぁ…」

声が出ない。


出そうとしても声にならない掠れた音が出るだけ。


アスカは残骸の近くに落ちているカバンに目を留めた。


そのカバンには、星の形を象ったストラップが付いている。

そして、そのストラップは……ナツキとテーマパークに出掛けた際に、お店でオリジナルで作ってもらったものと似ている。

いや、似ている、ではない。

――全く同じ。

そのストラップはアスカのスマホにも付いている。