「あ、お母さんは?」



「仕事」



なんか寂しそうな顔してる



「なんの?」




少し黙った後に答えてくれた



「女優とモデル」



……え!?



こんな身近に私と同じような状況の人がいるなんて!




「何、目キラキラさせてんの? 羨ましいの?」




「いや、私と同じ人がいたなんて……」



海翔はキョトンとしている



「私も親が芸能人だからわかるよ!」




海翔は目を見開いた




「はぁ!?」



「寂しかったよね! うん、わかるよ私」



「何いってるんだ、お前は」



「え? だから私も芸能人の子どもだ、って……」



言っちゃった……



言わないようにしてたのに



「お前のお姉さんとお兄さんってあの人気の双子のモデルだろ?」



うっ……



バレてたか……




「そ、そうだけど……?」




「ってことはお前の親って野々村 夕菜と啓大!?」



なんで知ってるの!?



「なんでわかるの?」



「この二人知らないやつこの世にいないと思うけど」



ですよね……




お父さんの名前は啓大
ハリウッドスターでもある日本の大スター



しかも面白い



まだ若く顔が整っていて芸能界で引っ張りタコだ



お母さんの名前は夕菜
日本を代表するモデルさん



演技もでき、海外でもモデルをやっている大スター



お姉ちゃんとお兄ちゃんも人気者だ



「海翔のお母さんとお父さんは?」



「俺の親はそんな有名じゃないけど?」



「いーから!誰なの?」



「母ちゃんは麗華で親父は佑希」



ええ!?



「何が有名じゃないよ! 充分人気じゃん!」




海翔は首を傾げた



こいつテレビ見ないタイプか



「そうか?」



「そうだよ! 麗華さんって言ったら日本を代表する大女優じゃん! 佑希さんだって世界で活躍する俳優さんじゃん!」



「そうか?」



「うん! 毎年やる芸能人総選挙だって毎年2位じゃん!」



「毎年お前の母ちゃんが一位だけどな」



「え? あ、なんかごめん」



「大丈夫だけど発表された後毎回母ちゃん不機嫌でさ」





万年二位だもんね、私でも悔しいな



「お疲れ様」