秋は憂鬱。

教室に戻ってクラスの子と少し騒いだ後解散をした。



次は花火大会!



ここは少しお金のある学校で。



文化祭の2日目は花火大会がある。



これは自由参加だ。



打ち上げ花火なので家からでも見える。



「ちいちゃんは良ちゃんと2人で見るの?」



カップルで見る人も多い。



「うん! その予定!」




幸せな顔してるなー。




「そっかー。 私どうしようかなー?」



急に後ろから頭に手が乗った。




「お前ぼっち?」




ちょっとバカにしたような言い方。



この声、海翔だ。



「ぼっちじゃないもん!」



見る人いないけど……




「じゃあ誰と見るか言ってみろよ」



お兄ちゃんたちはこれから仕事だし、ちいちゃん以外仲のいい子いないし。




「ひ、1人です……」



「あんまり花音をいじめないでね!」




「いじめてねぇよ!」



「ならいいけど! じゃあそろそろ行くね!」




あー行っちゃった。



「じゃあ私は帰ろうかな!」



「帰るの? 見てかないの?」




「見る人いないって言ったじゃんよー!」




海翔と見たかったけどね。




「じゃあ俺と見る?」




「え!? 本当?」



「何? 嬉しいの?」



「うん!」



そう答えると海翔は顔を真っ赤にして目をそらした。




「いや、別に変な意味じゃないからね! た、単純に嬉しいっていう、か……」



何言ってるんだろう、私。



単純に嬉しいってなんだし……!



「お、おう。 そんなのわかってる。」



よ、良かった。