花音said



屋上は何もないか……


これでもう海翔くんに嫌われたかな?



なんでそんなショックうけてるの、私。



まさか……



私……海翔くんの事……好きなのか。



もう終わりだ。



なんでこうなっちゃうのかな…



叫びたい。でも叫んだら気持ちが溢れちゃいそうで。



少しでも口を動かしたらすべてが溢れちゃいそうで……



「うっうーーー……」



1人はもういや。



でもどうすればいいの?



もう……だめだ……


「うわーーん!もう…!」



急に温かいものに包まれた。



「へ……?」



これは……腕?



お、男の人!?



「ごめん…… 俺、なにも知らなかった。」




か、海翔くん?




「え!? 何?」



「あんな過去あると思わなかった。」



いじめのことか。


ちいちゃんだ。


「ううん。 私こそごめんね!」



せめて笑顔で。



無理してでも。



「もう離して? ね?」


海翔くんは手を離してくれた。



「何でも言えよ?」




優しい海翔くんは。



「うん! ありがとう、海翔くん」




「その、さ。海翔くんってやめてくれないい?」



「え?」



「呼び捨てがいい」



今!?


「か、海翔……?」



恥ずかしい!


顔赤いよな…


あれ海翔く…海翔も赤い?


「どうしたの? 」



海翔は口元を隠した



「何でもねぇよ!」