「あとでって、いつ…?」
「そうだなー、あと…」
そう言って腕を伸ばし、袖をあげる。
無駄のない動き、なんてスタイリッシュなの…!
時計を眺める姿がやけにまぶしく見えた。
「15分くらい。」
はやっ。
「君の名前は?」
「河崎 柚芽(Yume Kawasaki)です…!」
「柚芽…ね。
柚芽も遅刻ギリギリなの?」
「そっ…そうなのであります!!///」
いきなりの呼び捨てに、心臓は破裂寸前。
自分でもなにを言ってるか分からなくて、とっさに出たのがこの言葉だった。
「じゃあ俺と同じだ。」
そう言ってにっこり笑う男の人の頭には、金の冠が見えた。


