歌姫の君に恋をした。

「美春ちゃんおはよう」

運転席に座っているのは杏奈の姉の詩織さん。
私達の4つ上だ。


「お姉ちゃん、学校までお願い」
「了解」

杏奈が行き先を告げると車が走り出した。
詩織さんは杏奈とは違って完璧綺麗系の人だ。
杏奈は可愛い系。
それに比べたら私は平凡。


「美春、深刻そうな顔してどうしたの?」

突然の杏奈の言葉に美春は少し驚いた。

「学校に、慣れてないだけよ」

そう答えた美春。
そんな美春にまた何を言っていいのか分からず、杏奈は美春の手に自分の手を重ねた。


「着いたわよ」


そう詩織さんの声で着いてしまったのかと言う感情に襲われた。