次の駅に電車が止まり、人がぞろぞろ出て行った。 笹本君が体制を変え、私は解放される。 席が結構空いて私たちは座る。 「………。」 「………。」 気まずい空気が流れる。 「…ごめん。」 笹本君が口を開いた。 「ううん。大丈夫、ありがとね。」 私が隣を見て言うと、肩がちょっと触れた。 「……っ!」 私はそれだけですぐに反応してしまう。 笹本君を見るといつもの顔に戻っている。 いちいち反応するのは私だけなのかな。