「じゃ、これでいい?」
私が聞くと、頷いてカチューシャを手にレジに向かった。
私は先に店の外に出て待つことにした。
あのカチューシャは誰に渡すんだろう。聞きにくい感じだし、私が聞くのがちょっと怖いのもある。
でも……
知りたいけど知りたくない。
そんな感情が私の胸で渦巻く。
やっぱり、聞いてみようかな…
「お待たせ。」
「っ!」
「?どうした?」
びっくりした。
せっかく聞こうと思ったのに、笹本君が来たから心の整理がつかない。
「ありがとう。どっか寄る?」
もう帰ると思ってたけど、まだ一緒にいてくれるんだ。
「うん!なんかお腹すいたな。」
「じゃ、そこのカフェでも行こっか。」
「うん!」

