「……。」
私は他のものを見ようと奥まで歩いていく。
かわいいカチューシャが目に止まった。
笹本君の言っていた雰囲気にもぴったりだとおもって、
「これいいんじゃない?」
と私は後ろを向いて笹本君に話しかけた。
あれ?いない。
キョロキョロと辺りを見回してみるが、見つからなかったのでまた商品探しに戻った。
「なんかあった?」
少しの間商品を見ていると、笹本君が隣に来ていた。
「うん。見てこれ!」
私はさっき見つけた大きなリボンの付いたピンクのカチューシャを見せてみる。
「あ、いいじゃん。」
と、カチューシャを取って笹本君は小さく笑う。

