出会いはベタな図書室で



「……。」


私は他のものを見ようと奥まで歩いていく。

かわいいカチューシャが目に止まった。
笹本君の言っていた雰囲気にもぴったりだとおもって、

「これいいんじゃない?」

と私は後ろを向いて笹本君に話しかけた。

あれ?いない。

キョロキョロと辺りを見回してみるが、見つからなかったのでまた商品探しに戻った。





「なんかあった?」

少しの間商品を見ていると、笹本君が隣に来ていた。

「うん。見てこれ!」

私はさっき見つけた大きなリボンの付いたピンクのカチューシャを見せてみる。

「あ、いいじゃん。」


と、カチューシャを取って笹本君は小さく笑う。