出会いはベタな図書室で



「送ってくよ」

下駄箱まで行くと、笹本君がそう言った。

「いいよ。大丈夫。」

一緒に帰りたいけど笹本君にそこまで迷惑はかけられない。

「でもひとりで帰れなくね?」

「帰れるよっ。迷惑かけちゃうし」


そう言うと、笹本君は急に真剣な顔で、


「俺が心配なの。」


そう言った。

どうしよう、心配してくれたんだ。
遠慮してたけどやっぱり一緒に帰りたいな。


「じゃあ、お願いします。」


私はペコっとお辞儀をして、二人で帰ることした。