ーーーガラッ


扉をあけると先生はいなかった。


「先生いないな。」

「どこいったんだろうね。」


笹本君は少し考え込んでから、

「しょうがねーな。いす座りな。」


笹本君は私を背中から降ろして椅子に座らせる。

ガサゴソと絆創膏と消毒液を探して隣の机に置いた。

「足、出して。」


「はい。」

笹本君は机にある消毒液をとり、慣れた手つきで手当に取り組む。

真剣な表情に思わず見とれる。

本当に整った顔だな…。


長い間見とれているといつの間にか終わっいた。

「うまいね。手当て。」

「あぁ、部活でよく後輩とかの手当てしてるからかな。」

「そうなんだ。優しいね。」

「いや、部長だし。」

「大変だね。部長は。」

「大変だけど楽しいよ。」

そう言って椅子から立った笹本君は心の底から楽しそうな表情で、なんだかキラキラして見えた。