「十五年ですか、長いですね、前のお店も今みたいな感じの店だったんですか?」
「全然違うよ、昔からの花屋って感じの店。合併してジュエリーショップの隣に移転するからって見劣りしないような外観になったのよ」
高杉さんの言う通り、大通りの交差点にあるジュエリーショップと隣り合うフラワーショップはともに同じような白い壁で調和が取れている。グループ会社だと聞いてみると納得ができる。
同じ白い壁でもジュエリーショップの窓からは煌びやかな店内が覗いて華やかな印象。フラワーショップはジュエリーショップにはないオレンジ色の瓦屋根が装飾されていて、南欧風で暖かい雰囲気。
「今のお店は花屋さんとは思えない感じで綺麗ですね、『シャイニー』は前のお店の時からの名前ですか?」
「違うよ、移転した時に『シャイニー』に変えたの」
「それもやっぱりジュエリーショップに見劣りしないように……ですか?」
「そうそう、ジュエリーショップが『グリッター』でしょ? だから隣りの花屋が『シャイニー』って、わかるでしょ?」
「ああ、グループ会社だから同じ系統の名前なんですね……、移転前のお店は何という名前だったんですか?」
単純に気になったから尋ねた。
きっと昔の……と言ってたから、横文字ではないのかなと予想しながら答えを待つ。

