今度こそ、練愛


展示会の二日前から作品を作り始めた。
営業時間中のお客さんの居ない時や閉店後に、皆が集中して作業を進めていく。



私も高杉さんと岩倉さんにアドバイスしてもらいながら、ひとりで作業することに。緊張しながらも創り上げていく時の新鮮な気持ちと、出来あがった時の達成感が堪らなく気持ちいい。



展示会の前日は幸い定休日。
朝から作業をして夕方に会場に搬入する。仲岡さんは家庭があるから搬入を手伝うことができず帰宅、高杉さんと岩倉君と私の三人で搬入作業を行うことになった。



隣市のショッピングモールの中にある多目的ホール。もう既にジュエリー部門の陳列は終わっていて、指定された場所に花を並べていく。



ジュエリー部門の従業員はみんな華やかで、陳列ケースに並んだジュエリーに見劣りしない。そんな煌びやかな合間を縫って、私たちは作品を並べていく。



「この花、素敵ですね。私も是非お願いしたいです」



私が陳列台の横にブーケを並べていると、ジュエリー部門の若い従業員さんが声を掛けてくれた。
自分ひとりで作ったブーケだったから、褒めてもらえると素直に嬉しい。
しかも白いカラーを使っていたから尚更に。