昭仁は、どんな顔をするのだろう。
平然と昨日は仕事をしていたと話したら、何と言って返してやろうか。
怒りの大波に揺さぶられる気持ちを抱えながら、いつも通り出社した。
昭仁のいる課と私の課はフロアが違うから朝一から顔を合わせることはない。
たまに仕事でフロアを行き来した際に見かけることはあっても、何にもなければ一日話をすることなく終わることもある。
たぶん昼休みになったら、昭仁はやって来るだろう。
昨日のことを謝りに来るはずだ。
考えを巡らせながら午前中、溜まった仕事を片付けてく。
十時を過ぎた頃、ちょっと一休みしようと休憩室へ。
ガラス張りの休憩室の中で話し込んでいる男性社員がふたり。ひとりは私の課の先輩で昭仁と同期の木戸さん、もうひとりはまさに昭仁だ。
こんな時間に、こんなところで会うなんて。
タイミングの良さに驚かされる。
木戸先輩は私と昭仁が付き合っていることを知っている。昨日が私の誕生日だとわかっていて、昭仁がデートをすっぽかしたことは知らないだろうけど。
昨日のことを追及するなら、今がチャンスかもしれない。

