「慧がこんなにお願いするなんて……
そんなにあの子がいいのね」


社長は穏やかな表情で私に言った。


「うん。こんなに胸がドキドキしたの
初めてなの 」


今でもドキドキしてる。

そっと胸に手をあてる。


「 羽崎くんの歌を初めて聞いたとき
衝撃をうけたの」


まるで、雷を体にうけたみたいに


「体中に電流がはしったの」


思ったんだ。そのとき。

この人の曲を作りたいって。
この人に私の曲を歌って貰いたいって。
この人に私の曲を歌って貰ったらどんなだろって。