うんざりだ。
もう、帰りたい……。
パイプ椅子にぐったりとした体を預ける。
たこ焼き…お好み焼きでもいいか……
でも、やっぱりたこ焼きだな……
帰りに疲れた体を癒すため
何か買っていこうと
頭の中で考えを巡らせる。
そのとき
盛り上がっている会場に
大きな声が響いた。
『今日最後の登場になります!!
エントリーNo.156
なんと!最後は一般参加だーー!
お名前と年齢をどうぞー!!』
最後…。やっと帰れる…
『山田 花子 です!
年はピッチピッチの17歳でーすっ!』
ピクッと体が反応する。
ん?なんか…この声聞いたことあるような…
『現役高校生きたー!!
さて、年上のお姉さんを虜にした彼は
一体誰なんでしょうか!?』
顔は帽子でよく見えない。
でも、この声……聞き覚えがある。
『羽崎十哉くんですっ!』
なんだろう。嫌な予感しかしない。

