いそいそと、洗面所に駆け込む。
急いだせいで呼吸が乱れ、肩が上がる。
乱れた呼吸を調え
ぎゅっと唇を噛み締めた。
頑張って、笑顔を作ろうと
口角をあげようとした。
でも、それは
ただ小さく震えるだけ。
ただの無駄な足掻きでしかなかった。
拳を握り締め、洗面台に目を向ける。
とってのついた棚をゆっくり開けて
中にある白い紙袋を取り出した。
それは…
私の命綱。
これがなければ、私は動くこともままならない。
数十種類の薬を水で身体へと流し込む。
指を動かしてみる。
開いたり握ったりを数回繰り返し
ハァと安堵のため息をついた。
よかった。まだ、大丈夫。まだ、動く。

