あなたへ







私はあなたを恨んでいません。






もっと日頃から愛してる、と




伝えておけばよかったと。





死んでしまったけど





あなたを忘れたことはありません。






今まで幸せにしてくれてありがとう。





愛してます。







ふわりと桜の花びらが指をかすめた。



すると春の風とともに




懐かしい彼女の香りがしたような気がした。





その匂いはまるで




俺に会いに来たみたいに





優しく温かく、俺を包んでくれた。






「………ふっ」




微かに微笑むと俺は





家に入り、ファンレターの返事を書き始めた。









【END】