目を覚ますと白い天井が見えた。
つんっと鼻をかすめる薬のような匂い。
病院だった。
どうやら俺は飲みに行った帰りに
倒れてしまったようだ。
急性アルコール中毒。
またお前に怒られてしまうな。
病院でも手紙を書くことを忘れない。
でも…毎日通っていたポストに
初めていけない日。
郵便受けを見に行くことも許されない。
もしも、もしかしたら、
返事がきているかもしれない。
そう思うといてもたってもいられない。
朝食をすませると、
所々痛む重い体を引きずり、
家へ帰った。
郵便受けを開けると波のように落ちてきた
ファンレターの中に…
お前の名前はない。
