*舞衣side**

「ふぁ〜…」

午前6時45分。私は今、試合会場にいる。

試合会場にはすでに沢山の人。

そんな中真っ先に見つけたのは…

『舞衣〜!!おはよー!』

「お、おはよぅ…」

遠藤可奈子(エンドウ カナコ)。同じ卓球部だが、私の苦手な子…。

『舞衣元気ないー?』

「ん、そんなことないよ。まだ眠いだけ…」

『そー?ならいいけど!』

はぁ…。こういう時だけ調子いいんだから…

『舞衣おはよー!』

「あ、由芽夏!おはよー!!」

太田由芽夏(オオタ ユメカ)。私の1番の大親友。

幼稚園からの幼なじみだ。

「由芽夏〜…可奈子ちゃんが…」

『可奈子ちゃんねぇ…
なんであの子は舞衣の気持ちわからないかね!』

「そんな大きい声出さなくても…笑」

『ごめんごめん笑笑』

「あ、そろそろ開くんじゃない?
行ってみよっか!」

『そだねー!行くか!』

そうして私達は中に入ろうとした。

(あれ…こっち見てるの○○中の高山先生?
どうかしたのかな…)

高山先生は、たまに私の試合を見ている時がある。

その学校の友達曰く、左利きだからだと言う。

それなら私じゃなくてもいいのに…

高山先生とは一度お話したことがある。

その学校の友達(真結ちゃん、利紗っぺ)も一緒だったから、

ちゃんと話した訳ではない。

(高山先生ってかっこいいよな〜)

『舞衣ー?どーした?』

「あ、なんでもない! 行こっか!」

『最近なんか変だよー?
さっき誰のこと見てたの?』

「え、あー。○○中の高山先生! なんかこっち見てたからさ…」

『で、かっこいいなーと思ったわけね?笑笑』

「ふぁ!!違うわ!」

『絶対そうでしょー!舞衣、好きな人のことガン見してるし笑笑』

「してないもん!」

(でも…高山先生のことは、別に好きなわけじゃないんだから!)

『はいはい笑笑』