「お帰りなさい、翼さん」


玄関を開けるとやっぱり翼さんがそこにたっていた。


「ただいま、遥さん」


「うっ……」


最近、翼さんは私がさん付けで呼ぶと翼さんも私をさん付けで呼ぶ。


「つ、翼の馬鹿っ」


いつもこういう事しか返せない私も相当だ。


「遥のその言葉が聞きたくてさ」


そう言うと額へとキスをする翼さん。


「っ!?」


突然な事に、馬鹿みたいに口をパクパクさせる。