上へと移動する腕を掴むと、いとも簡単にその腕は頭上で抑えられる。 「俺以外の姫になるなんて考えるだけで腹立つ」 翼の手が私を可笑しくする。 何も考えられない位に、脳が溶けてしまうかのように。 理性なんて、そんなものは簡単に奪われる。 全てが翼になってしまう。 「わ、私も…」 「ん?」 「翼以外の王子様は、やだっ…」