朝はいつもこの四人で学校へと行くのが日課。
こうでもしないと私の一日は始まらないのだ。

「ね-ね-、それにしても本当になおの家って大きいよねぇ…!」

「そうか…?自分で住んでいるとわからなくなる」

「でもなおのお家はお金持ちだもんね
家も大きいわけだよなぁ…!うらやましい!」

「やめてくれ、茶化すのは…」

いつなんどきも元気な吹雪 七三(ふぶきななみ)。
長い黒髪は下におろし、少し外にはねたサイドの髪が
彼女の元気さを表していてよく似合っている。
メガネをしているためか、少し知的そうにも見える

あぁ、因みにお金持ちというのは
私の家は父さまが会社の社長なので少し裕福らしい。
自分の家庭では普通だと思っていた生活もどうやら勘違いだったようで
いろいろ感覚がずれている、とよく言われる。

「あ…七三、そんなこと言ったら絆(きずな)の家はどうなる?」

「えっ、俺ぇ!?俺はさ、ほら…研究室じゃんか!」


二宮 絆(にのみや きずな)はムードメーカータイプだ。
いつでも私たちを楽しませてくれる、とても優しい人。
金髪に染めたその髪は前髪を真ん中で分けていて
珍しい髪形にしてはしっくりきているからさすが絆だと思う。
因みに彼の家が研究室だというのは、絆の父親が科学者だからだ。
絆も将来は科学者になりたいらしい。

そして…

「ほんと二宮の家は化けもんがいそうで怖いよな」

「はぁ!?化けもんってひどくね!?アーサーのが怖いだろ!」

「誰がアーサーだその呼び方やめろっつってんだろ!」

浅間 大翼。
黒のままを保った髪、前髪は短くて
眉より上にあるためすっきりしているように見える。
目つきが悪く、怖がられることをことを気にしているのか
伊達メガネで誤魔化しているけど、口が悪いからあまり効果は…
ないな。

そして私たちは小さいときからの幼馴染。
絆だけは小学校5年の時からの仲だが。

そのうちの一人、大翼
私は彼が好きだ
気付いた時から、ずっと。
なんて、誰に言うわけでもなくね…恥ずかしい


「…お、なお、、尚!」

「!な、何?大翼」

「ぼーっとしてんじゃねえよ…ったく」

そんなことを言いながら私の頭を軽くたたく
そんなことが嬉しくてたまらない。
今日一日は幸せに過ごせそう。