暗い闇から見えた一つの光景…

 
 懐かしいリビング、懐かしい灯りの下に、にぎやかな家族の姿があった。
   

 誰から見ても幸せそうだろう。   

 
 「お母さん!!」

 
 手を伸ばそうとしたときーー優妃はベッドの上だった。

 
 あ‥制服のまま寝ちゃってた

 

 「なんであんな夢なんかみたんだ‥」 
  

 

 天上に向かって手を伸ばす自分へ虚しさと無力感が襲う


 


 あんな光景はもう二度と訪れることが 
ないのに。

 

 そんなことは分かっているのに。