素直になれたら




「………なっ! ひな聞いてる?」




真琴が プクって怒ったふりしながら俺を見た。




全然 恐くないけどなっ





「あっごめん。何?」




「あはは 何じゃないよ。ひな眠いの?
まだ1日始まったばっかだよ!しっかりしろっ!!」





っと危ないっ!





とっさに真琴の腕を掴んで引き寄せた。




トンって軽い衝撃を受ける。





あっ 何かいい香りがする……




真琴の 香り…………





「あっ ありがとう!車にケンカ売るとこだったよ。 まっ ケンカしたら私勝つけどね!!」




自信満々のドヤ顔…





車とぶつかったら ケンカどころじゃないけどなっ 絶対勝てねぇし!!!!



本当に どっか抜けてる……





気をつけろよって 真琴を歩道側に寄せて





「お前なら 車 投げ飛ばしそうだもんなっ!!」




「でしょ〜!!!!!!!!」



とりゃって 車投げ飛ばす真似をする。




いやいや こうだろって 摘んでポイッ投げる真似を俺がする。




あ〜でもない こ〜でもないとくだらないことをしながら笑いあった。





そのうちに なにやっても笑えてくる…




2人で大笑いしながら学校に着いた。








「じゃあ ひな よろしくお願いします!!」



「おぅ!1時間目から寝るなよ!」






了解って敬礼しながら真琴は友達のところに走ってった。




真琴といる といつの間にか笑ってるよな……





ほんの些細な事も 楽しい出来事にかわっちまうんだ…








ふと手元を見ると和輝の綺麗に直されたズボンが入った袋。




イラッ




何故かイラッとする………



俺……… どうしたんだろう……