…何度も首筋に残された痕は、見ないようにしていた。
見てしまえば、切なさで、胸が締め付けられそうだったから。
でも、ある晩。
鏡に映った首筋を見てしまった。
…まるで、薔薇が咲いたような痕だった。
それを見て、綺麗だと思う、この痕が消えなければいいと思うのは、おかしいのだろうか。
最近の自分は、麻痺してしまったようで、御堂社長をどこかで求めてしまっている。
そんなある日、出会いたくない人に出会ってしまった。
突然、社長室に、アポも取らず、婚約者が来てしまったのだ。
流石の御堂社長も、断る理由が見つからず、社長室に入れた。
「…突然、どうしたんですか、麗美さん?」
「どうしたんですか、じゃないわよ!」
婚約者の麗美は、綺麗な容姿とは真逆な態度で、御堂社長に歩み寄った。
「落ち着いて下さい」
「これが、落ち着いていられると思う?
結婚白紙ってどういうこと⁈」
…結婚、白紙⁈
あんなに大きな会社の令嬢との結婚を⁈
私は、ただただ驚いた。
「…麗美、落ち着け」
麗美の後ろにいた男性が声をかけた。
見てしまえば、切なさで、胸が締め付けられそうだったから。
でも、ある晩。
鏡に映った首筋を見てしまった。
…まるで、薔薇が咲いたような痕だった。
それを見て、綺麗だと思う、この痕が消えなければいいと思うのは、おかしいのだろうか。
最近の自分は、麻痺してしまったようで、御堂社長をどこかで求めてしまっている。
そんなある日、出会いたくない人に出会ってしまった。
突然、社長室に、アポも取らず、婚約者が来てしまったのだ。
流石の御堂社長も、断る理由が見つからず、社長室に入れた。
「…突然、どうしたんですか、麗美さん?」
「どうしたんですか、じゃないわよ!」
婚約者の麗美は、綺麗な容姿とは真逆な態度で、御堂社長に歩み寄った。
「落ち着いて下さい」
「これが、落ち着いていられると思う?
結婚白紙ってどういうこと⁈」
…結婚、白紙⁈
あんなに大きな会社の令嬢との結婚を⁈
私は、ただただ驚いた。
「…麗美、落ち着け」
麗美の後ろにいた男性が声をかけた。