「…龍吾さん、これは貰えませ…⁈」
言いかけて、唇に指を押し当てられ、何も言えなくなってしまった。

「…何があっても、絶対に外すな」
「…でも⁈」

「俺は理子を一生離さないと決めたんだ。それが、その証だ」

「…私は、龍介さんと」
「龍介なんかと、結婚させない」

「…」
何も、言い返せなくなってしまった。

「ただ…もう少し時間をくれ」
「…」
私は、黙ったまま、龍吾を見上げた。

「必ず、お前を迎えに行くと言ったよな?」
その言葉に、静かに頷く。

「俺を信じて、もう少し待っていてくれ」

その言葉を信じて待っていても、いいんだろうか?

…いや、待つわけにはいかない。
龍吾を自分の為に、苦しめたくはない。

「何も考えるな」
その言葉に、ドキッとした。