噂で聞いたことがあった。 最恐の鬼がいるという【紅】というグループを。 こいつはきっとそのグループの内の一人なんだろう。 滅多に人前に現れない筈なのに、こうして今、俺の目の前にいる。 差し出された手を握り、立ち上がる。 「もっと強くなりなさい。自分や誰かを守れるくらい....」 そう言い残して俺に背を向けた。