鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 昔、お母さんとお父さんと絖覇の家族と、遊園地に遊びに行ったとき。


 そこはとても人気の遊園地で、しかも夏という人気のシーズンに遊びに行ったんだ。


 だから、人混みも芋洗い状態で・・・・・・。


 そのときのあたしたちはまだ、保育園児で、はぐれないように絖覇と手を繋いでいた。


 けど、ある拍子にもう片方の手を繋いでいたお母さんの手を離してしまったんだ。


 知らない場所。


 知らない人たち。


 人混みのせいで、お母さんを探すにも子供のあたしたちにはとうていできない。


 まだ幼いあたしには、それがとてつもない恐怖で・・・・・・。



 あたしはとうとう、その場に座り込んで泣き出してしまった。



『っ、おかあさん!おかあさん!』


 
 どこいっちゃったの?


 あたしを置いていかないで!


 知らないばしょはイヤだよ。


 怖い、怖い、怖い、怖い!



『りんちゃん!』



 キュッと右手が温かいなにかに、包まれた。