鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~






 ぼんやりとした頭がだんだんはっきりとしてきて、ゆっくりと身体を起こした。


 ふと、鏡に目をやれば頬に涙のあとがある。


 あたし・・・・・・気を失っちゃったんだ・・・・・・。


 夢の中でお母さんと会えた。


 もう少しだけ。

 
 あと少しだけでいいから、あのままでいたかった。


 こんなにも苦しい中なのに、夢の中でも満足に会えないなんて・・・・・・。


 あたしたちの運命は、残酷すぎる。



 
 そして・・・・・・。



「──あ」


 右手に違和感があると思ったら、絖覇があたしの手を握っていた。


 彼はベッドに顔を埋めて、寝ている。


 もしかして、ずっといてくれたの?


 そんなわずかな優しさが、ボロボロに傷ついた心を温めてくれる。



「ありがとね、絖覇」



 一人呟いて、寝ている彼の黒い髪をぐしゃっと掻き乱した。


 そのせいで、ヘンな寝癖がついてしまったけど、そのままにしておく。