「愛してる・・・・・・」
彰さんは、そう呟いた。
風に流されてしまいそうなほど、弱々しい声だったけれど、あたしの耳にはちゃんと届いていた。
お願い、ムギ、わかって・・・・・・。
どれだけ、自分が愛されているのか。
必要とされていたのか。
自分はいらない存在なんかじゃないと。
必ず、誰かが自分を必要としてくれている。
それだけで、前へと進もうと思えるんだ。
「しょう・・・・・・」
ムギは、ぎこちなく、腕を彰さんの背中に回した。
その目には、涙が浮かんでいる。
もちろん、紅かった瞳は、もとの豊かに実った小麦色に戻っていた。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

