鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~






 ムギは泣き声のような声で、叫ぶ。



「私が、いくら人を救ったとしても、傷つけてしまったのは事実。



 その人たちは、きっと私を恨んでいる!


 仲良くしておいて、力がなくなりかけたら、その人たちから力を奪って・・・・・・。


 私は、最低なの・・・・・・」



「──そんなこと、ない!」



「え?」



 あたしは、倒れそうになる身体をなんとか動かし、ムギのもとへとたどり着く。


 そして、ムギは、叫んだあたしを不思議そうに見た。



「ムギ・・・・・・番人の人たちは、誰もムギを恨んだりしてないよ?」



「なぜ、そんなことが言える!」



 再び声を荒げるムギ。


 けれど、直後にあたしの後ろを見て、固まった。



「な、んで・・・・・・」


 
「久しぶりね、ムギ」



「おいおい、俺を忘れたのかよ」



「薄情だな、俺達、仲間だろう?」



 そのほかにも、後ろの方でがやがやと騒がしくしている。



「みんな・・・・・・どうして・・・・・・」



 そう、その人たちとは、歴代番人を努めてきた姫と召し使いだった。