鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~






 彰さんの攻撃を肩に受けたムギは、無言でその傷痕を見てから、その視線を攻撃した彰さんへと移す。


 彰さんの肩は、ワナワナと震えていた。



「お前は本当に阿保か!


 確かに、傷つけてしまった人たちはいるかもしれない。


 救えなかった人たちも、いるかもしれない。


 でも!!


 誰も救えなかったなんて言うなよ!」



 いつのまにか、彰さんはそのクリクリした瞳に、大粒の涙を浮かべていた。



「お前に、どれだけ救われたか・・・・・・。


 お前のおかげで、どれだけたくさんの人が、幸せになれたか・・・・・・。


 その人たちは、みんなお前に感謝してる!」



「ッッ!」



 今度は、ムギが息を飲んだ。


 確かに、彰さんの言う通りだ。


 ムギは、一度犯してしまった罪のために、たくさんの人を傷つけてしまったのかもしれない。


 でも・・・・・・。


 それでも、救われたのは、確かにムギのおかげ。


 ムギがいなかったら、あたしは、お母さんを起こしてみせると決意できなかった。


 過去へ行って、いろいろ知ることが、できなかった。





「でも・・・・・・!


 そんなこと、信じられない!!」