鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~







「っ! りんを離せ!!」



──バシュッ!


 絖覇が霊力でマゼンタ色の炎を作ると、ムギに向かってそれを投げつける。



「やっ、ダメ!!」



「危ないじゃないか」



 そんなことを言いながら、ムギは紙一重で絖覇の攻撃を避けてしまう。


 
「ムギを傷つけないで!!」



「でも・・・・・・!」



 気づくと、あたしはそう叫んでいた。


 再びムギを攻撃しようとしていた絖覇の動きが止まる。


 ムギを傷つけちゃダメ!


 ムギは、仲間なのに・・・・・・!



「優しいのだな、お前は。


 しかし、それが仇となる」



「ッッ! イヤッ、ダメェッ!」



「燃え尽きろ」



──バシュウウッ!



 ムギの手に、真っ赤な炎が点ったかと思うと・・・・・・それは真っすぐに──絖覇に直撃した。



「絖覇あぁぁぁあっ!!」



 彼は、呻く間もなく、地面に倒れ込んだ。