鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~






「大人しく、捕まれ」



「っ!」



「きゃあっ!」



「りん!」



 ムギの手から放たれた、白い光で出来た鎖は、あたしをあっという間に捕らえてしまう。


 避ける間も、なかった。


「チッ」


 小さく舌打ちをした絖覇が、風のように速く、駆けてくる。


 けれど、ムギは鎖を自由に操ると、あたしを自分のもとへと手繰り寄せた。


 おかげであたしは宙ぶらりん状態。


 なにこれっ!

 
 恥ずかしいんだけど!


 スカートなんて履いて来なければよかった!


 中、丸見えじゃない!


 顔が真っ赤になって、スカートを押さえようとするけど、腕も背中に縛り付けられてしまっていて、それはかなわなかった。


 そんな風にあたふたしていると・・・・・・。



──ピタリ。



「ひっ」


 
 短くて小さい、悲鳴が閉じていた口の端から洩れてしまった。


 ムギの手に握られているのは・・・・・・光で出来た霊力の短剣。


 それは、間違いなく、あたしの首に押し付けられている。


 冷たいはずなのに、恐怖でそれすらもわからない。


 ゴクリと、生唾を飲み込むことさえ、困難だ。