鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 結界が壊れたことに、ムギは紅い目を見開いて驚いた。


 けれど、すぐにその目は細められる。


 ムギ・・・・・・。


 彼女は、もう結界は張ろうとはせず、ただこちらを睨むだけ。


 その冷たい視線がただ、悲しかった。


 彼女はゆっくりと、その手を空高く掲げる。



「そなたら人間など、全て滅びるがいい!!」



──カッ!!


 途端に、ムギの手から雷(いかずち)が放たれた。


 それが、最後の戦いの、合図となった。