鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~






 あたしの名前を読んで、優しく微笑んだ少女は間違いなく、あたしのお母さんだった。


 お母さん、だよね?


 彼女は、まだあどけなさをわずかに残している。


 けれど、その微笑みには、確かにお母さんの面影があった。


 もしかして・・・・・・このお母さんはあたしと同じくらいの歳?


 彼女はふわふわと宙を浮いており、身体が透けて向こうの建物が透けて見えた。


 なんで・・・・・・お母さんがここに?



「お母さん、お母さん!!」



 あたしは必死でお母さんにしがみつこうとする。


 けれど・・・・・・。



「あ・・・・・・」



 伸ばしたはずの腕は、お母さんの身体を虚しく通りすぎてしまった。


 
『ゴメンね、りん。


 あたしは今、意識だけの状態で、人には触れないの』



「ううん、大丈夫。


 お母さん、なんでここにいるの?


 そして、なんであたしと同じくらいの歳なの・・・・・・?」